三体
こんにちは。薬剤師のHです。今回もおすすめの本を紹介させていただきます。
三体
著:劉慈欣
中国、アメリカで大ヒットした3部作の長編SF小説で、三体文明という宇宙の文明と地球の文明が接触をするというストーリーです。第1部のこちらでは、なぜ宇宙の文明に接触するに至ったのかという過程が描かれています。
人類の森林伐採により絶滅の危機に瀕している生物を守るため地道に植樹を続ける人物の葛藤シーンで、「いまの地球の生物種が絶滅する速さは、白亜期後期の比ではない。この現代こそ、ほんとうの大絶滅時代だ。」、「(地球の)文明はやっぱり、いままでと同じように地球上の人類以外の生命を滅ぼしつづけるだろう。」というセリフがあり、他の生物を絶滅から守っていくためには人間は存在しないほうが良いのか?ということを深く考えさせられます。
また、「宇宙の最後の秘密がすべて明かされたとき、人類はそれでも生存しつづけられるだろうか。自信満々にイエスを言える人間は、実際には浅はかだ。なぜなら、その秘密がなんなのか、まだだれも知らないのだから。」というシーンでは、宇宙は何のために存在し、これから人類はどこに向かって歩んでいくのか?いつかその答えがわかる時がやって来るのか?ということを強く感じました。
全体を通じて、物質や化学・科学に関する記述が多数あり、基礎化学、基礎物理学など様々な分野で過去の偉人達が発見してきた数々の法則や物質の性質などが塵も積もれば山となり、現代までの人類の文明の発展に必要不可欠なことだったのだと改めて認識しました。
機会がございましたら、ぜひご一読ください。